ふらの牛乳プリンは、小さな牛乳瓶で焼き上げています。焼き上げると言っても実際にはスチームで蒸していると言う方が正解ですね。なぜ牛乳瓶なのかって言うと、それは熱伝導と口当たりを考えてガラスの容器を探していた時に、丁度あったのが、ふらの牛乳の小瓶でした。その小瓶は、富良野プリンスホテルの朝食のみで提供されていてホテルに泊まらない限りはあまり見かけないものだったのですが、私が富良野チーズ工房へ富良野牛乳を買いに行っている時に見つけて使うようになったのがきっかけで、なぜか、プリンを瓶に入れて製造するのが全国的に流行りました。すごく嬉しいです。
ふらの牛乳プリンのメインの材料の牛乳はもちろん富良野牛乳です。実はその富良野牛乳はノンホモなんです。ノンホモと言うのは、ホモジナイズって牛乳のクリームが浮くの防ぐ目的で脂肪球を細かく均質化する事なんですが、それをやっていないのが、ノンホモ牛乳なんです。本来の牛乳だと思っています。ふらの牛乳でプリンを作った時、表面にクリームが浮いてくるんですよ、初めは失敗かと思ったんですが、結果的にはそれがとても美味しかったんです。そして、富良野牛乳は成分も調整していないので、冬は濃厚で夏はあっさりな味になるんです。それも最初はどうしよう?生クリームでも足して脂肪分を上げるか!って考えたのです。でも、人も夏はあっさりした物が食べたいし、冬は濃厚な物が食べたい。そう考えると、このままでいい。そう思いました。ふらの牛乳プリンは「夏プリン」と「冬プリン」で味が違うんです。
一般的にお砂糖はサトウキビを原料にするものと、甜菜(砂糖大根)を原料とするものがあります。私の認識では、暖かい地方のサトウキビには体を冷やす効果、そして寒い地方の甜菜には体を温める効果があるようです。フラノデリスは、北海道にあるのでもちろん、甜菜を原料とした甜菜糖を使っています。その甜菜糖の中でも、甜菜糖の含蜜糖と呼ばれる少し茶色い色をしたお砂糖です。粒はグラニュー糖よりも細かく粉糖よりは粗いです。ミネラルも多く含まれ、一般的なグラニュー糖よりも甘さが優しいと感じます。
ふらの牛乳プリンは、ふらの牛乳、卵、甜菜糖、バニラビーンズから出来ています。スチームコンベクションと呼ばれる蒸気の出るオーブンで焼き上げているのですが、ギリギリのタイミングで丁度いい柔らかさにしています。実は私が修行時代に覚えたプリンと比べるとふらの牛乳プリンは、すごくお砂糖の量が少ないんです。何故かと言うと、柔らかいからです。柔らかいと口に入れた時に一瞬で口の中に広がるので従来の量の砂糖だと甘すぎと感じます。